地方移住の候補地が決まったら、次に始めたいのが物件探しです。
ただし、地方の物件は家賃や購入価格だけで選ぶと、東京への出社、買い物、通院などで想定外の不便が生じることがあります。
特に東京通勤を続ける場合は、最寄り駅までの距離、朝夕の列車、駐車場、家族が使える移動手段まで確認しなければなりません。
この記事では、地方移住の物件探しを始める時期と、賃貸・中古住宅・注文住宅ごとの進め方を解説します。

地方移住の物件探しはいつから始める?
物件探しを始める時期は、賃貸、中古住宅、注文住宅で異なります。
| 住まいの種類 | 探し始める時期の目安 | 主な準備 |
|---|---|---|
| 賃貸住宅 | 移住の2~3カ月前 | エリア選定、初期費用、通勤経路の確認 |
| 中古住宅 | 移住の6カ月~1年前 | 資金計画、建物状態、改修費用の確認 |
| 注文住宅 | 移住の1年~1年半前 | 土地、住宅会社、住宅ローン、建築期間の確認 |
上記は一般的な目安です。希望する地域の物件数が少ない場合や、子どもの入学時期に合わせる場合は、さらに早く準備を始めます。
一方、賃貸物件を早く決めすぎると、実際の入居日より前から家賃が発生することがあります。情報収集は早めに始め、契約時期は不動産会社と調整してください。
物件を探す前に決めておきたい5つの条件
物件情報を見る前に、家族で次の条件を決めておきます。
- 東京への出社頻度
- 賃貸・購入のどちらにするか
- 毎月の住居費の上限
- 車を何台保有するか
- 移住後に優先したい自然環境
東京への出社頻度
週1回出社と週5回出社では、選べる物件の範囲が大きく変わります。
週1回程度なら、駅から少し離れた住宅や自然に近い地域も候補になります。週2回以上なら、駅までの移動時間が積み重なるため、駅への行きやすさを優先したほうが生活を組み立てやすくなります。
| 出社頻度 | 物件探しで優先したい条件 |
|---|---|
| 月数回~週1回 | 自然環境、広さ、家賃、駐車場 |
| 週2回 | 駅までの時間、列車の本数、自然環境とのバランス |
| 週5回 | 駅への近さ、朝夕の列車、通勤時間の再現性 |
毎月の住居費
賃貸では、家賃だけでなく、管理費と駐車場代を含めて計算します。購入する場合も、住宅ローン以外に固定資産税、火災保険、修繕費が必要です。
駅から遠い物件では、自動車の維持費や駅前駐車場代が追加されることもあります。
賃貸住宅で移住する場合
初めて住む地域では、最初に賃貸住宅を選ぶ方法があります。
一定期間暮らすことで、気候、交通、買い物、近隣環境などを確認できます。将来家を購入する場合も、地域を理解してから土地や中古住宅を選べます。
地方の賃貸物件で確認したいこと
- 家賃、管理費、駐車場代の合計
- 駐車場を2台分確保できるか
- 最寄り駅までの移動方法
- 通勤時間帯の道路状況
- インターネット回線を利用できるか
- エアコンや給湯設備の状態
- 冬用タイヤや暖房設備が必要か
- ペットを飼育できるか
地方では「駅から徒歩20分」と書かれた物件でも、買い物や通院には車が必要になる場合があります。徒歩分数だけでなく、一週間の生活動線を確認してください。
中古住宅・空き家を購入する場合
中古住宅や空き家は、購入価格だけを見ると魅力的に感じることがあります。ただし、建物の状態によっては、購入後に大きな改修費用がかかります。
中古住宅で確認したいこと
- 築年数と耐震性能
- 雨漏りやシロアリ被害
- 屋根と外壁の修繕履歴
- 給湯器や水回り設備の状態
- 断熱性能と冬の室温
- 境界と接道状況
- 下水道・浄化槽・井戸の利用状況
- 残置物の撤去費用
古い住宅では、購入費より改修費のほうが高くなることもあります。売買契約前に、可能であれば専門家による建物状況調査を検討してください。
空き家バンクだけで探さない
空き家バンクは、自治体などが地域の空き家情報を紹介する仕組みです。一般の不動産サイトに掲載されていない物件が見つかる可能性があります。
一方、空き家バンクの掲載数や仲介方法は自治体によって異なります。空き家バンクだけに絞らず、次の窓口を併用します。
- 自治体の空き家バンク
- 地域の不動産会社
- 一般の不動産ポータルサイト
- 移住相談窓口
- 住宅会社や工務店
注文住宅を建てる場合
地方移住を機に注文住宅を建てる場合は、土地と住宅会社を同時に探す必要があります。
土地を先に購入しても、希望する住宅を建てられないことがあります。反対に、住宅会社を先に決めても、その会社が希望地域に対応していない場合があります。
土地探しで確認したいこと
- 希望する建物を建てられる用途地域か
- 接している道路の幅
- 上下水道やガスの引き込み状況
- 造成、擁壁、地盤改良の費用
- 土砂災害・洪水・津波などの災害リスク
- 冬季の積雪や路面凍結
- 駅、買い物先、病院への移動時間
- 住宅会社の施工対応地域か
土地の価格が安くても、水道の引き込みや造成に費用がかかれば、総額は高くなります。「土地価格+建物価格」だけでなく、外構、地盤改良、各種工事まで含めて比較してください。
地方移住で失敗しにくい物件の絞り方
候補住所から東京駅まで検索する
自治体の代表駅から東京駅までの時間は、物件探しの入口です。実際の契約前には、候補物件の住所を出発点として検索します。
- 自宅から駅までの移動時間
- 駅での待ち時間
- 乗り換え時間
- 東京駅から職場までの時間
- 残業後に利用できる帰宅経路
車で駅へ向かう場合は、朝の渋滞と駅前駐車場の空き状況も確認してください。
平日と休日の両方で現地を見る
休日の昼間だけでは、通勤時間帯の交通量や周辺の音が分かりません。
可能であれば、平日の朝、夜、雨の日にも候補地を確認します。すべての日程で訪問できない場合でも、通勤時間帯の道路状況や公共交通機関の時刻表を調べておきましょう。
買い物と医療は住所から確認する
自治体内に大型商業施設や総合病院があっても、候補物件から遠ければ日常的には使いにくくなります。
| 施設 | 確認すること |
|---|---|
| スーパー | 営業時間、車での所要時間 |
| ドラッグストア | 日用品や医薬品を購入できる店舗 |
| 総合病院 | 診療科、紹介状の要否、移動方法 |
| 夜間・休日医療 | 急病時の連絡先と受診場所 |
| 保育・教育施設 | 通園・通学方法、将来の選択肢 |
ハザードマップを確認する
自然が近い物件では、洪水、土砂災害、津波などのリスクも確認します。
不動産取引では、水防法に基づく水害ハザードマップ上の物件所在地について説明することが義務付けられています。ただし、水害以外の災害も含め、自分でも自治体や国土交通省の情報を確認してください。
- 建物の所在地
- 駅までの通勤経路
- 指定避難所までの経路
- 河川や崖からの距離
- 停電・断水時の生活手段
賃貸・中古住宅・注文住宅を比較
| 選択肢 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 賃貸住宅 | 地域が合わなければ住み替えやすい | 広い物件やペット可物件が少ない場合がある |
| 中古住宅 | 購入価格を抑えられる可能性がある | 改修費と建物状態の確認が必要 |
| 注文住宅 | 間取りや断熱性能を希望に合わせやすい | 土地探しから完成まで時間がかかる |
移住経験がなく、地域もまだ絞り切れていない場合は、賃貸住宅から始めるほうが柔軟です。
一方、移住先が決まり、長期間住む予定がある場合は、中古住宅や注文住宅を比較する段階に進めます。


住宅会社を比較する前に準備すること
住宅会社へ相談する前に、次の条件を整理しておくと比較しやすくなります。
- 移住したい自治体と候補地区
- 土地と建物を合わせた予算
- 希望する入居時期
- 必要な部屋数と駐車台数
- 東京への出社頻度
- 断熱・耐震など重視する性能
- 平屋・2階建てなどの希望
最初から1社に決めず、複数の住宅会社から間取り、費用、対応地域を確認してください。
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希望地域に対応する住宅会社を
まとめて比較できます
- 複数の住宅会社から資料を取り寄せられる
- 希望する予算や間取りを整理できる
- 自宅にいながら無料で比較できる
※土地や建築条件が決まっていなくても情報収集に利用できます。
まとめ
- 刺さる:移住候補地が決まり、賃貸・中古住宅・注文住宅のどれを選ぶか具体的に比較したい人。
- 注意:価格や広さだけで決めず、駅までの移動、買い物、医療、災害リスク、改修・造成費を住所単位で確認する。


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